外壁工事 外壁材について
建売住宅や最初から外壁材の仕様が決まっている住宅とは異なり、「嘉山の家」のような完全注文住宅では、
外壁材を施主自身で選択することができます。現在、外壁材は大きく分けて3種類に分類されています。
①モルタル外壁
モルタル外壁は塗り壁ですので、色々な形状に対応でき、仕上げも吹きつけ系の塗料の中から色々と選択する
ことができます。施工方法よっては、部分的にタイルや石を貼ったりすることも可能です。
メンテナンスの必要性はモルタルのヒビ割れ(漏水につながる恐れ有)、仕上げ塗装材の劣化、建物の耐震性等の
要素で決まってきますが、一般的にモルタルその物の耐用年数は30年程度とされ、大きなメンテナンスの
必要性は少ないとされています。
②ガルバリウム鋼板外壁材
工場生産の外壁材。
屋根材のページで説明させて頂いたように、ガルバリム鋼板材は他の外壁材に比べ軽く、
建物の重さを軽減できるので、地震等にも有効です。メンテナンスサイクルも長く、シーリング箇所も少ないので メンテナンスに係るコストを削減をすることも可能です。反面、もらい錆びや異種金属と触れることによる腐食が
懸念されます。
③サイディング外壁材(「嘉山の家」採用)
ガルバリウム鋼板外壁材と同じく工場生産の外壁材。
豊富に種類があり、また施工方法が容易なため、職人の手間が少なく安価に施工することができます。
「14mm厚サイディング」が一般的ですが、「嘉山の家」では「16mm厚サイディング」を採用しました。
外壁工事 サイディングの施工方法
☆「14mm厚サイディング」と「16mm厚サイディング」では施工方法の違い
14mmは板の表面に釘を直接打ち付け、壁に貼り付けていく工法となります。(釘打ち工法)
16mmは引っ掛け金具というもので、壁に貼り付けていく工法となります。(金具止め工法)
釘打ち工法は、表面に釘が見えてしまうので、釘の頭にサイディングと同色の塗装をし補修しますが、近くで見ると
釘打ちをしていることが分かります。
単色のサイディングを選べば補修箇所が目立ちづらいですが、数色混ざりあったようなサイディングを選ぶと塗装
しても釘の頭が目立つことがあります。
金具止め工法は、金具を釘かビスで固定し、その金具に板を乗せ、また金具で固定するという工法です。
金具は板の下に隠れて見えなくなるので、板の表面に釘の頭等が見えることはほとんどありません。
サッシ周りやベランダ、下屋周りは表面に釘を少し使用しますが、それほど目立つことはありません。
なお、14mmは金具止めで施工することはできません。
16mmの施工には金具が必要なので、材料代は14mmより高額となり、職人の手間代も16mmの方が高額と
なるのが一般的です。
14mmと16mmの仕上がりの差を事前に確認し、外壁材を決めることも重要となります。
「嘉山の家」でも当初、14mmでの施工を予定していましたが、下記の理由より16mmに変更しました。
①サイディングに直に釘打ちすると、隅が割れる可能性があるため。
②地震や大型車通行の際の微振動で、まれに釘穴が大きくなることがある。
板同士のつなぎ目はシーリングや実(さね)形状により、防水性能がある程度確保できるが、釘穴は防水性能の
確保が難しいため。
③釘打ち周りは板が欠けることがある。欠けてしまうとタッチアップ塗料を塗って補修するしかないため。
貼り変えてもかけてしまうため。
④釘打ちの施工に職人の力量が問われる。
釘はハンマーで打ち込むので、サイディングに跡がついてしまう場合がある。
また、エア圧が強ければ深くめり込み耐力が低下するし、エア圧が弱ければ浅くなるので、手でたたいて打ち
込む必要がある。
☆サイディングの弱点
サイディングの弱点は反ることです。
サイディングに厚みのある方が、デザイン性の確保、反りの軽減、シーリング厚の確保がしやすくなります。
シーリングを長持ちさせることは、サイディング自体のメンテナンスサイクルを伸ばすことにもつながります。
☆サイディングの取付工法
サイディングの取付には、釘打ち工法と金具止め工法の2種類の工法がありますが、地震等への対応面では、金具
止め工法の方が、釘打ち工法より優れています。金具止め工法は、通気金具止め工法と非通気金具止め工法の2つに
分類されます。通気金具止め工法では、胴縁は不要です。
「嘉山の家」は外壁通気工法で通気胴縁を採用しているので、下記図中央「非通気金具止め工法」で施工しました。
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