外壁防水工事
外壁は、断熱材→構造用合板→透湿防水シート→通気胴縁(外壁に通気層を設けるために施工される胴縁)→外壁材
(サイディング等)を順に貼っていく工法が一般的です。
木造住宅の構造耐力を確保するには面材耐力壁(構造用合板)と筋交い耐力壁の2種類がありますが、「嘉山の家」
では、面材耐力壁(構造用合板)を採用しました。
構造用合板とは、合板のうち、構造耐力上必要な部分に用いる目的で作られた物のことです。
主に木造住宅の壁下地材、床下地材、屋根下地材(野地板)として用いられ、JAS規格F☆☆☆☆等で定められて
います。構造用合板を使って耐力壁や耐力床を作ることにより、耐震性・耐風性を飛躍的に高めることができます。
また、副次的な効果として、気密性や防音性も高めることができます。
すなわち、木造住宅の外壁下地等に構造用合板(又は構造パネル)を用いれば、優れた耐震性、耐風性、気密性、
防音性が確保できるということです。
また、構造用合板を外壁の全面に貼ることで、筋交いとしての機能も持たせています。
「嘉山の家」では、構造用合板に透湿防水シートとしてタイベックシルバー(※1)を貼っています。
透湿防水シートは、ステープル(ホチキスのような物)の歯で止めていきますが、ステープルはいたる所に打つこと
ができるので、打ち損じが無いというメリットがあります。
その後、タッカーで留めながら貼っていきます。
透湿防止シートの役割は、外壁の仕上げ材の内側に侵入してきた雨水を防ぐということです。
施工にあたり大事なのは、
防水シートの切れ目(継ぎ目)の部分をしっかり重ねて張っているか(シートの重ね代)
の確認です。特に、サッシ周りは雨漏りをしやすい箇所ですので、慎重で丁寧な施工が必要です。
透湿防水シートとサッシの間に隙間ができないように、防水テープを貼ることも重要です。
透湿防止シートの施工は雨漏りを防ぐためも重要な工程です。
乱れなくきっちり貼られているか、タッカーで適切なピッチ(間隔)で貼られているかを確認しましょう。
透湿防水シートの重ね代は、シートに記載されていることが多いですが、通常、上下方向で100mm以上、
横方向で300mm以上です。
建物のコーナー部分では、透湿防水シートがコーナー部分をくるむように回しこんでいるかを確認しましょう。
※1
★タイベックシルバー
透湿防水シートとは、雨水侵入を防止し、木材が腐るのを防ぎ、壁内の湿気を外部に逃がすことで、壁内の結露を
防ぐ効果を持った外壁の下地シートのことです。
透湿防止シートといえば、タイベックスハウスラップが有名で、全国シェア70%と言われています。
透湿性、防水性に優れているため、雨水の侵入を防いでくれ、無数に存在する繊維の隙間から湿気だけを逃がして
くれます。耐湿気・耐久性にも優れており20年の長期保証がついています。
「嘉山の家」で使用しているのは、タイベックハウスラップの進化版であるタイベックシルバーです。
高密度ポリエチレン不織布にアルミニウムを蒸着させ、アルミニウムの劣化を防ぐ抗酸化樹脂をコーティングした
遮熱性にも優れたシートです。遮熱性が高いことから、夏の逆転結露(夏場の冷房時に室内側防湿層の内側で結露が
生じてしまうこと)にも有効です。
また、通常、通気胴縁に防蟻防腐剤が注入された胴縁を使用すると、シートが劣化するといわれていますが、
タイベックスシルバーは、撥水性の高い樹脂コーティングを施し、防腐剤の影響を受けにくくしています。
メーカーの50年後相当の耐久性試験では、ほとんど劣化がなく、JAS耐久性区分クラスⅢに適合する製品です。
「嘉山の家」のような省エネルギー基準の高気密高断熱住宅では、住宅性能を上げることが重要ですので、
性能の良い断熱材、サッシ等に合わせて「タイベックシルバー」のような高遮熱の透湿防水シートを使用すること
で住宅の性能が格段に上がります。
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