雪止めの役割
前ページの亜鉛メッキ製の補強材にはもう1つ大切な役割があります。
それは、隣家とのトラブル防止等を回避する「雪止め」としての役割です。
「嘉山の家」が位置する葛塚地区は、豪雪地域とまでは言えませんが、例年降雪があります。
ガルバリウム鋼板金属製の屋根は材質上よく滑りますので、この「雪止め」がないと予想以上のスピードで雪が
滑り落ちていきます。取り付けていないと落雪により隣家や軒下の物等を壊してしまったりする危険性が高くなり
ます。「雪止め」は、豪雪地域では屋根の積雪により建物に荷重がかかってしまい、逆効果になる場合もあります
が、新潟市近郊の積雪は30~50㎝程度が多く、積雪荷重に関してそれほど神経質になることはありません。
積雪対策が不十分な家は、降雪した際に、大きな被害につながってしまう可能性がありますので、注意しましょう。
★「雪止め」を設置するメリット
① 屋根から落ちる雪の量が減る
雪止めの上の方の雪は落ちてきません。また、雪が急速なスピードで落ちてくることを防げます。
② あらゆる雪の被害から守る
隣家の敷地内に落雪し、隣家に損害を与えてしまう等のトラブル防止となります。
落雪により物の破損はもちろん、人にケガを負わせてしまったりしたら大変です。
③ 急な天候変化にも焦らず対応できる
近年、予想を超える降雪が多くあり、もともと降雪の少ない地域にお住いの方は、急な積雪に慌ててしまい
がちです。不慮の事故防ぐためにも、事前に施工しておいた方が賢明です。
★「雪止め」を設置するデメリット
① 屋根の重量が増える
雪止めを取り付けると屋根の重量は増えます。
但し、降雪の少ない地域では、積雪荷重はそれほど神経質になる必要はありません。
連日にわたり激しい降雪がなければ、降雪から2~4日で雪は解けて流れていきます。
② 結露が発生して木材が痛む
屋根に雪が積もり冷えているのに対し、室内は暖かいため結露が生じます。
これにより、木材が痛んでしまう可能性があります。
③ 雪解け水が屋根材の隙間から中に入る
雪止め金具がついている場所の下地が腐食してしまっているケース。
金具によっては、メッキの塗装が悪い等が原因で腐りやすいものがあります。
④ 錆びやすい材質のものがある
雪止めが錆びて、屋根に錆が移ってしまう可能性があります。
また錆びてしまった金具をそのままにしていると、金具自体が落下してしまう恐れがあります。
信頼できる業者に依頼することで、こうしたデメリットを最小限にとどめることが大切です。
雪止め設置の位置とその影響
雪止めを取り付ける位置は重要なポイントとなります。
「嘉山の家」のように外壁の真上にあたる軒先から40~80㎝程離れた位置が適切です。
軒先は重みに非常に弱く、特に何の支えもされていない軒先は、常に重力の影響を受けやすい場所となります。
普段から重力の影響を受けている軒先は、耐性が他の部分より弱くなりがちです。
雪は重さがありますので、軒先に長時間雪があると痛みの原因となり、最悪の場合、軒先が曲がってしまう等の
症状が現れます。また軒の下地部分に雪水が入り込むと、その入り込んだ雪水が外気にさらされることにより凍結
していまいます。この症状を繰り返すことにより屋根材を支えている部分が腐食してしまうという事態となります。
雪止めは、実際に雪が降らないと効果の実感がわかない部分ではありますが、上記トラブルを防ぐために重要な
パーツです。また「嘉山の家」のような密集住宅地にあり、隣地との距離が近い場合には、近隣トラブルを防ぐ
ためにも設置をしておいた方が賢明です。
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