コンクリート基礎工事
基礎は鉄筋とコンクリートで造られます。工事の手順は、基礎が配置される部分の地面に砂利を敷き詰めてつき
固める→捨てコンと呼ばれるコンクリートを砂利にかぶせる→配筋工事をする→基礎の形にあわせて型枠をつくる
→型枠にコンクリートを流し込む(打設)という流れです。
基礎の底盤部分のコンクリート打設に際し、外周部の型枠の固定状況や乱れがなく並んでいるかを確認します。
型枠に打設したコンクリートは、バイブレータで締め固めることにより、隅々までコンクリートが行き渡り、かつ
余計な空気や水分を出すことができます。
ジャンカ(※1)やコールドジョイント(※2)などができることを防ぐ重要な作業です。
次いでアンカーボルトを設置します。アンカーボルトは基礎コンクリートと柱をしっかりとつなぐ為に必要なもので
一般的に13~16mmのものが使われますが「嘉山の家」では16mmを使用しました。アンカーボルトは結束線
で配筋に固定します。
アンカーボルトの固定状況の確認、傾きがないかの確認、埋込寸法が適切であるかも確認します。
基礎の立上り部分のコンクリートを打設する前に、立上り部分の内側の面に型枠を設置しますが、固定状況や並びを
確認することが大切です。
立上り内部の型枠やアンカーボルトに問題がなければ、立上り部分にコンクリートを打設します。
その後、立上り天端部分(一番上の水平部分)をコテで平滑にし、レベラーを流して基礎天端を水平に仕上げます。
しばらく養生期間を置き型枠を撤去します。養生期間は一般的には3~8日程度ですが、「嘉山の家」では12日と
長めにとりました。養生期間はコンクリートを乾燥させるためはもちろん、コンクリートの膨張を防ぐための期間
です。しっかりと乾燥するまで型枠で固定しておかないといけません。
型枠撤去後、コンクリート表面のクラック(ひび割れ)、ジャンカ、コールドジョイントがないか確認します。
また、基礎立上りの天端が水平であるかの確認、基礎の底盤と立上りの打継面(1度目に打設した底盤のコンク
リートと2度目に打設したコンクリートの境目)に異常がないかの確認をします。
型枠撤去後、コンクリートのひび割れを防ぐために水撒きをします。
※1 ジャンカとは豆板とも呼ばれ、コンクリートの表面に空隙ができたもので、セメントと砂利が分離するなど
してできます。コンクリートの締め固め不足等が原因と考えられます。ある程度は問題ありませんが、施工
不良により問題とされるレベルのジャンカが見られることがありますので、特に注意が必要です。
※2 コールドジョイントとはコンクリートを打設する際に時間がかかり過ぎてしまうなどが原因で、先に打設した
コンクリートと後から打設したコンクリートが一体化せず、打ち重ねた部分に不具合が生じているものです。
土台敷き
十分な基礎コンクリート養生期間をおいて基礎工事が終了すると、次の工程は土台敷きです。
土台敷きとは、棟上げに先立って基礎コンクリートの上に土台や大引(土台間補強材)を設置していく作業です。
土台を敷き終えたら、断熱・配管等がきちんと施工されているかの確認、基礎と土台をつなぐアンカーボルトの
閉め忘れがないかを確認後、土台の上に床パネルを貼っていきます。床パネルを貼り終えたら、汚れないように
テープできれいに養生します。
その後、棟上げで使う材料を搬入してもらい、ブルーシートで養生し、足場を組んで棟上げの日を待ちます。
土台敷きと今後の掲載予定の構造部分は住宅の骨組みとなる大事な工程です。
工程も多く、ミスが起こりやすい作業です。「嘉山の家」では、欠陥住宅にならないよう慎重に作業して頂いて
います。
上棟
上棟とは、屋根の一番上の部材である棟木(a)を取り付けることです。棟木は屋根を作るために桁(e)と平行に
位置し、最も高い所に配置される部材です。そのため、上棟のことを、棟上げということもあります。
建物の組み上げ作業は緻密で、柱の垂直を見ながら補正し、かためていきます。
柱が立ち、梁(b)や桁といった横架材と呼ばれる横方向の木を設置していきます。
2階の床下地合板も貼り、2階の柱を立てていき、同じように横架材を掛け、屋根下地へと移ります。
そしてようやく棟木が上がります。事実上の上棟です。実際には、そこから屋根下地の合板を貼ったり、
ルーフィング(屋根材の下に敷く防水性のあるシート)をしいたりと、次の工程をできる限り進めていきます。
「嘉山の家」上棟式当日は朝から好天に恵まれて夕方には無事「上棟」を終えることができました。
(a)棟木(b)垂木(c)母屋(d)梁(e)軒桁(f)通し柱(g)間柱(h)床梁(i)つなぎ梁(j)胴差(k)筋交い
(l)根木(m)基礎
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